ongk150322

音々楽々のススメ!文章ver.:Árstíðir”Hvel”

 ぎぃ。ちゃっ。かちゃ。
「で、最近何かいいのあった?」
「あー、どうだろ。新譜で楽しみにしてるのはあるけど今っていうと特にないかな。」
「へぇ、じゃあそんな不作気味のアルに良いメタルが、」
「いらねぇ。」
「ひどい。」
 からんがらん。
「こんばんわ。」
「おー、いらっしゃい。何飲むよ?」
「そうですね。今日はハーブティーを。」
「はいよ。ちょっと待ってな。」
「あれ、カシワちゃんソフトドリンク?珍しいじゃん。」
「ですっけ?あ、でも確かにここだといつもお酒頼んじゃってたかも。」
「酒豪のイメージしか無いんだよなァ。」
「えへへ。」
「えへへて。」
 かさり。とと、と。
「でさ、最近何かいいのあった?」
「はい?」
「音楽おんがく。」
「マヤお前、それしか話題ねーのかよ。」
「今日はそれしか無いね。で、どうよカシワちゃんよ。」
「ありますよ、丁度ぴんってきたの。」
「ぉおう!いいねいいね!どういうの?」
「えっと、なんて呼ぶんだろう。これなんですけど。」
 じぃぃ、がささ。ことっ。
「おー、大理石みたいなジャケの。」
「いやこれ、木とクモの巣じゃないかな?」
「アイスランドのバンドなんです。字が読めない・・・。」
”Árstíðir”
「あるすてぃでぃる?なのか?」
「歌詞もアイスランド語のものが幾つか入ってるんです。雰囲気いいですよ。」
「へぇ、じゃあ折角だしかけてみるか。」
「お願いします!この曲!この曲から!」
 かちゃ、
 
♪Things You Said

「ふむふむ。アコギのイントロが物悲しい感じで。ちょっと緊張感もありつつ。」
「ギターの他にチェロやヴァイオリンもメンバーにいるバンドなんですけど、なんというか、さりげないんですよね。ふわぁって音の重なっていく感じが好きで。」
「お、ヴォーカルいいじゃん。優男系でさ。」
「エモい?」
「エモくは無いだろう。叙情っていうのは確かだけど。これはちょっと優しすぎる。」
「エモーショナルでは無いと。」
「んー、んー?いや、なんというか、そういう意味じゃなくてだな。・・・ほら、ハーブティーお待たせ。」
「ありがとうございます。」
「あ、逃げたな。」
 かちゃん。ことっ。
「おいしい。」
「おう。どーも。」
「この曲聴きながらだったら、お茶が一番合うなぁって思ったんですよ。」
「なるほどね。」
「ぼーっとしながら聴いてたいなコレ。」
「マヤさん、こんな感じの音楽、何かご存知ですか?」
「あるよ!超あるよ!」
「おーい目が怖いぞマヤ。落ち着けな。」
「へいへい。で、近い雰囲気の奴。」
「はい。」
「ひとつはOpethの”Damnation”。元々メタルで、最近はプログレ方面にぐっと舵きりしたバンドなんだけど、このアルバムが結構独特な立ち位置でね。メタラー以外にも普通にお勧めしたい。ギターの物悲しさとか、優しい歌とか、ぱっと聴いた印象が似てるね。」
「ふむふむ。」
「もうひとつはSteven Wilsonの”Hand. Cannot. Erase.”最近の新譜だね。これがホント良くてさ、控えめに明るくて力強いロック加減とか、人懐っこいメロディのさり気ない配置とか。あとやっぱ声だよ。前作よりも歌パートがぐっと印象強めてきてるっていうか、やっぱこれだよなあ的な、」
「まじ落ち着け。単にゴリ推ししてるだけになってんぞ。」
「おっと失礼。でも、カシワちゃんに結構合う感じだと思うよ?」
「ありがとうございます。またちょっと調べてみよっと。」
「良かったら今度貸したげるよ。」
「ホントですか?やった。」
 ぎいぃ。
「いらっしゃい。っと、随分久しぶりの顔だな。」
 がたた、ぱたぱた。
「アルは今日も忙しくしてますな。」
「何よりですね。あ、今流れてるこの曲、4曲目なんですけど、これも好きなんですよ。暖炉にあたってるみたいな、あったかい雰囲気で。」
「眠くなってくるな・・・。」
「あはは、そうかもですね。」

Posted by:

畳色@mossgreen

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